− 流星群 解説 −
by 内山茂男 （日本流星研究会）
日本でのふたご座流星群の出現という点では、今年の条件がどうなっているか解説していきます。
| 日付 | 薄明終了 | 月出 | 薄明開始 |
| 12/13日 | 17h 59m | 00h 16m | 05h 11m |
| 13/14日 | 18h 00m | 01h 14m | 05h 12m |
| 14/15日 | 18h 00m | 02h 12m | 05h 13m |
| ※ 時刻は東京値です。 | |||
右に示した図「ふたご群ZHR」は、IMO（国際流星機構）
の過去の観測データから求めた、ふたご座流星群のZHR曲線です。
グラフで色をつけたのは今年の日本の観測に適した時刻（20時30分〜薄明開始まで）
で、色の薄いところは月明かりがある時刻です。
今年のふたご群の特徴として、次の2点が大事なポイントです。
月明かりがあると、暗い星や流星が見えなくなりますし、それなりの明るさの流星の見え方もさびしくなります。 今年は下弦過ぎの月明かりが、途中からあります。ただし、下弦を過ぎると月明りの影響は少なくなります。
極大直前の13/14日と14/15日の2夜は、活発な流星の出現を見ることができるでしょう。ただし、この2夜を比べると次のように言えそうです。
・月の出前の出現数は、2夜でほぼ等しい。
・14/15日の方が、月の出が遅くなり、月もやや細くなる。
・14/15日は、夜の間に出現数が減っていく。輻射点が最も高くなる頃の出現数は13/14日の方がやや多い。
・14日は日曜日。13/14日の方が夜更かししやすい人が多い。
以上は、流星の明るさを考慮しない場合の解説です。
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ふたご座流星群では、明るい流星のピークが全体ピークより遅れることがわかっています。では、どのくらい遅れるのでしょうか？
それを示したのが右〜右下に示したグラフで、いくつかの等級別の出現状況（ZHRm）です。
やや薄い緑のラインは、
参考のために「全流星の出現状況の形」を示したものです。
0等級の流星では、13/14日と14/15日の方がやや多い程度ですが、 -2等級の明るい流星では、14/15日の方が2倍程度になり、-4等以上の大変明るい「火球」と呼ばれる流星になると、14/15日は一晩中活発に出現することになります。 と言っても、-4等以上の大物はもともと 1時間に 1個弱ですから、あまり大きな期待はできません。
「0等級の流星」というのは「市街地でも十分よく見えそうな明るさ」で、「0等級以上の明るい流星全体」では、13/14日に 10個/時、14/15日に 15個/時程度の流星が期待できます。
以上を簡単にまとめると、
ただし、晴れなければ流星を見ることはできません。“晴れた日に見る”という意識も大事です。
なお、この等級別の出現状況の研究は、過去の観測データ（1993〜2007年）から行ったものです。 ふたご座流星群は少しずつ明るい流星が増えているように感じる、という観測者の声が聞こえてきます。きちんとデータを調べていないので確かなことは言えませんが、 ここで示したものより、明るい流星が多めに出現する可能性もあります。
詳しくは、流星の研究の ふたご座流星群の等級別ZHR を参照してください。
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